安藤忠雄建築といえば美しいコンクリートの打放し。そんなイメージを誰もが抱くのではないかと思うのですが、そんな安藤さんがコンクリートを使わずにホテルの客室をデザインしたら、限りなくミニマルな空間が出来上がりました。
トム・メイン、隈研吾のデザインした7132HOTELの客室に引き続き、こちらは日本を代表するプリツカー賞受賞建築家の安藤忠雄さんのデザインした客室です。
7132HOTELの前衛であるホテル・テルメヴァルスには、元はペーター・ツムトーデザインの客室しかなかったのですが、その後にホテルの所有者が代わり運営方針が変更され、以来、初めに登場したのがこの安藤忠雄デザインの客室なのです。
House Of Architectsにある4人の建築家デザインの客室の中で、もっともシンプルなのがこの安藤忠雄デザインの客室です。
他の3人の建築家のデザインに比べると少々地味に見えるかもしれませんが、客室として最も居心地がよく使いやすいのは、このタイプの部屋だと私は思っています。
壁、床、天井はトム・メインや隈研吾の客室と同じオーク材のパネルの仕様。細い角材を並べた格子のような天井と壁のデザインは、どこか日本の伝統家屋のような雰囲気を醸し出していますよね。
少々わかりづらいのですが、ベッドの上から斜めに広がるスポットライト を埋め込んだふかし天井の部分は、部屋の真ん中あたりからシャワーや洗面、トイレを内包したブースへとつながってゆきます。
柔らかい光を放つ、やや緑がかった半透明のすりガラスの中に、水回りがとても美しく収められています。この客室のデザインがスイスの建築雑誌などに掲載されていた当時、「最もミニマルで美しいバスルーム」などと書かれていたのを思い出します。
こちらはトム・メインや隈研吾のデザインとは違い、落ち着いてシャワーが浴びられるので、付き合いの浅いカップルや友人との宿泊でも問題なしです。
少々狭くて綺麗に写真が撮影できなかったのですが、限りなくシンプルに、かつ美しいディテイルで全てが作られています。
コンクリートの建築ばかりでなくインテリアデザインにおいても、安藤建築のこだわり抜いたディテイルの美しさは健在ですね。
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