7132 HOTEL / 隈研吾の部屋

オーク材の巨大な巻きす(巻き寿司を作るのに使う竹の道具)で巻かれているような、美しい木目のパネルを段々に重ねた幻想的な空間は、日本を代表する建築家、隈研吾さんデザインによる7132 Hotel / House Of Architectsの一室です。

隈研吾さんといえば、自然の木の素材を美しく組み合わせたデザインが特徴的ですが、この客室も全面的にオーク材を使って作られています。

トム・メインの部屋の内装と同じオーク材のパネルを使っていると思われますが、トム・メインの部屋では脇役だったオーク材が、こちらでは完全に主役を演じている。
パネル自体はシンプルなものですが、見せ方によってこんなに大胆に素材の美しさを表現できるのかと、隈研吾さんの才能に感動しますよね。

オークは内装材として建具や床などに使われることが多く、スイスのモダン建築では欠かせない素材ですが、どことなく『和』を感じる暖かいデザインにまとまっているのも、日本人の私にはうれしいところです。

 

日中の自然光の中でも木目の美しさが輝いて、それはそれは美しい空間なのですが、夜は夜でまた別の顔を見せられることになります。

材木と材木の隙間には間接照英が施されていて、これがさらに木目を美しく照らし出す仕組みになっているんですよね。
ベッドが設置されている一段高くなった床の下も間接照明になっているので、上からも下からも、部屋全体が暖かな柔らかい光で包まれるという演出です。

 

スパではアルプスのグラニット(花崗岩)と湧水に癒され、客室では自然の木に包まれて癒されるという、なんと贅沢な滞在なんだろうと思いました。

 

隈研吾さんのデザインは天然の木の素材が主役であることが多いと思うんですが、このお方は木の素材がどんな風に自らを表現したいのかを、きっとよく知っておられるんじゃないかという気がするんですよね。木の素材とチャネリングをしているみたいな…w。なかなか材木一つでここまで遊べるデザイナーも少ないのではないかと思います。

 

また個人的には、カーテンのガーゼのような柔らかい素材感が、空間の温かく包まれるような雰囲気を強調しているようで、良い選択だなと思いました。

 

 

巻きすのようなオーク材のジャバラ以外は、徹底してシンプルなデザインにまとめられています。

日本の和室を思わせるような印象があるのは、この布団を敷いたようなベッド廻りのせいでしょうか?

ヨーロッパの一般的な造りからすると、机や洗面台の高さが低すぎる感じではあります。
私はヨーロッパ暮らしが長いので、小柄(160cm)ながらも「ちょっと低いかな?」と感じてしまうのですが、それは時折日本に一時帰国をしているときに味わう感じ、そのものだと思ったんですよね。
ということは、ヨーロッパの皆さんもここで日本の寸法を体験できるという、一つのアトラクションなのかもしれません。

 

 

シャワーブースやトイレも至ってシンプルなデザインですが、使い勝手は良いです。
トム・メインの部屋同様にシャワー中は中が丸見えになるのですが、こちらはシャワーの浴び方に気を使わなくても、大洪水に到ることはありません。
洗面台で顔を洗うときには少々水ハネを気にする必要がありますが、オイル仕上げの床材は水が染み込みにくい仕様になっているので、それほど大きな気遣いはいらないと思います。

少々苦情めいたことを記すとしたら、間接照明が温度変化によってバキバキと大きな音を立てるので、就寝前などはちょっと耳障りかもしれません。
温度が落ち着いたら音は静まるので永遠に続くわけではありませんが、間接照明を全開にして点灯する場合には(個人でオン・オフをコントロールすることができます)心してからにすると良いかもしれません(笑)

ただし間接照明がオークのパネルを照らし出す様は一見の価値ありだと思うので、宿泊される方は是非ともお試しください。

 

 

 

 

 

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