地下400メートルの地底から汲み上げられるミネラルウォーター

日本のミネラルウォーターは軟水が多いですが、ヨーロッパのミネラルウォーターは硬水がほとんどです。ヨーロッパの地形は硬い岩盤に覆われた地域が多いので、その硬い岩盤の層を水が通過する際に岩盤に含まれるミネラルを水が吸収することから、豊富にミネラルを含んだ硬水の源泉ができるあがるというわけです。

WHOの基準では、0~60mg/Lのものを軟水、120~180mg/Lのものを硬水、180mg/L以上のものを非常な硬水としているのですが、ヨーロッパのミネラルウォーターは超硬水にあたるものが非常に多く、例えば日本でもおなじみのフランスのミネラルウォーター、エビアン/evianは304mg/L。日本的な視点ではエビアンは非常にたくさんのミネラルを含んでいそうな感じですが、実はヨーロッパのミネラルウォーターには1000mg/L以上の超硬水も多く、エビアンはそれほど硬くなくて飲みやすいミネラルウォーターとして認知されています。

そう、『硬度が低いと飲みやすい』と一般的には言われているんですよね。

ところが私は、1000mg/L以上ものミネラル分を含む超超超硬水と言っていいくらいのミネラルウォーターの味が大好きでして、好んでよく飲みます。飲み過ぎるとお腹が痛くなってしまう可能性もあるので、大量にゴクゴクと飲む水ではないのですが、その独特の味と舌触りが何とも好みで、いつも家に買い置きしているのです。

そんな硬水好きな私のお気に入りミネラルウォーターは、エプティンガー/Eptingerと言います。スイスのユラ山脈、バーゼルランド地方の源泉から汲み上げられるミネラルウォーターなのですが、なんとこのミネラルウォーターには2222mg/Lものミネラル成分が含まれているんです

ダイエットウォーターとして日本でもおなじみのコントレックス/Contrexでも1468mg/Lですから、日本では考えられないくらいのミネラル含有量というわけです。

(余談ではありますが、調べていたらドイツにはドナウウォーター/DonatMGという硬度5169mg/Lのミネラルウォーターがあるのですって。びっくり(°_°)!こちらが世界最高峰のミネラル含有率とのこと。)

だからエプティンガーは世界一ではないのですが、スイスのミネラルウォーターとしては最もミネラル含有率の高いミネラルウォーターとして知られています。スイスはアルプス山脈を中心に、ヨーロッパの中でも特に硬い岩盤に覆われている地形なので、硬度1000mg/Lの源泉はいくつも存在しているのです。

 

このエプティンガーの驚くべきところは、地下417mの地底にあるヨーロッパで最も深い水脈から抽出された水であるということでしょうか。ミネラルウォーターの源泉というと、100mくらいでもなかなか深いと思いますから、417mというのは相当異例の深度です。

その地底417mの水脈に水が辿り着くまで、数年の歳月をかけて硬い岩盤を通過していくのだそうです。非常にミネラル成分を多く含んでいるのはそのためなんですね。しかも硬い岩盤に覆われた地底417mの水脈は、地上の環境汚染の影響を全く受けていないのだと言います。

日本のミネラルウォーターは、水質の安全性から科学的な処理が加えられるのだと読んだのですが、スイスのナチュラルミネラルウォーターは源泉から直接ボトルに注ぎ入れられることが義務付けられているため、炭酸水用に二酸化炭素を注入する以外は手を加えてはいけないことになっています。当然のことながら、危険な成分が混入することがないように、水質チェックは随時行われていますが、以前の記事『水について考えてみる』4つの森の州の湖を上から臨む絶景ポイント』でも触れたように、スイスは水に恵まれた豊かな土地で、その4割は浄化する必要がない水質なんだそうです。

だから417mの源泉にある水を100%そのままいただけるということなんですよね。

そんな地球の中心に近いところにある源泉の水を体に取り込めるなんて、なんだか特別なことのような気がしてしまうのは私だけでしょうか?

 

私が好みだと言っているお味の方なんですが、これはミネラル成分が1000mg/Lの硬水に共通する独特の味です。(とても分かりにくい説明ですみませんm(_ _)m)
よく硬水は苦味があるという記載を目にするのですが、私は苦味というよりは甘みとして感じられるんですよね。ただし、歯を磨いたすぐ後にエプティンガーを飲むと、舌に残るような苦みを感じます。「これのことを苦味と言っているのかな?」とその時にはじめて思いました。通常は私には甘くまろやかな口当たりで、少しドロッと重たい感覚があります。もちろん水ですので実際にはどろっとしていないですが、普通の水道水やエビアンなどの飲みやすいミネラルウォーターに比べて、口に入って舌や口内に触れる時にほんの少しだドロッとしたような重たく滑らかな感触がありますね。

味や舌触りはやはり一般的なミネラルウォーターよりも癖があるので、好き嫌いはあると思います。

そんな独特なミネラルウォーターが好みだという私は、きっとミネラルを体が必要としているのかなと思っています。
通常ミネラル成分というのは食物から摂取されるのだろうと思いますが、スイスの生活では魚などの海鮮産物を食べることがどうしても少ないので、私の体は日本で暮らしていた時よりも供給されるミネラル成分が少なくなっているのかも?
女性はホルモンのバランスなどにより、ミネラル低下になってしまうこともあるというから、食物からだけでなくミネラルウォーターで補給するというのもアリなのかもしれませんね。

 

好き嫌いがあると記しましたが、エプティンガーはスイスのレストランやカフェでサーブされることもよくあるので、こちらでは特殊なミネラルウォーターというわけでは全くなく、一般に広く受け入れられているミネラルウォーターではあります。
だからこちらでは言ってしまえばありきたりな物なのですが、私の目にはきらりと光る特別なものと映ったので、今日はお気に入りのミネラルウォーターについて記事を書いてみました。
最近ボトルのデザインが新しくなって、テーブルの上にそのまま置いてもインテリアに馴染む感じに変貌したこともあり、写真を撮影するのもなんだか楽しかったもので(笑)

 

 

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