モンサンミッシェル/大天使ミカエルの城

モンサンミッシェル(Mont-Saint-Michel)はフランスの西海岸、サンマロ湾に浮かぶ小島に建てられた聖堂のこと。

大天使ミカエルを奉る聖堂であり、カトリックの巡礼地として知られるばかりでなく、ユネスコ世界遺産にも登録されている事から、その名を知る人は多いでしょう。

サンマロ湾は潮の満ち引きが最も激しい地域としても有名なのですが、その満ち引きの差は15メートル以上。現在は橋が架けられて通行が容易になったのだけれど、それ以前は潮が引いて干潟が現れるまでは、気軽に訪れることのできない場所でもあったんです。

そんなミステリアスな存在の仕方に惹かれて、モンサンミッシェルは絶対に訪れたい土地の一つでありました。

 

 

この近くで司教をしていたオベール氏のもとに、大天使ミカエルは何度も現れて「あの岩山に聖堂をたてよ」と告げたのだそうです。それは8世紀の頃。

元は小さな聖堂だけであったところに修道院が増築されて、13世紀にはほぼ現在のような形になったのだとか。

百年戦争(1337年 – 1453年にフランスとイギリスの間でおきた戦争)の際には要塞として使用され、18世紀、フランス革命時には修道院が廃止されて牢獄としても使われてたという、なかなか込み入った歴史を背負っています。その後は修道院が復元され、19世紀にはフランス西部有数の観光地として著名になり、現在のモンサンミッシェルがあるというわけです。

 

その美しい姿は城壁に囲まれた古城のようでもあり、尖塔に立って天に剣を仰ぐ聖ミカエルの像が王のようにも見えて、なんだか『大天使ミカエルの城』とタイトルをつけたくなりました。

 

 

ライトアップされた夜のモンサンミッシェルは、更に神々しく、また威厳を放っているようにも見えます。

 

そもそも大天使ミカエルは、最も大きな権威と権力を持つ天使とされる四大天使の内の一天使であり、その中でも総司令官のようなリーダー的存在の天使なのだそうな。

 

 

尖塔の先にそびえる金色の彫刻が聖ミカエル。写真右の白い彫刻は、それと同様に作られたレプリカです。

 

知力だけでなく武勇にも優れているとされるミカエルを伝える書物では、悪魔を退治したなどの勇敢な伝説がたくさん残っていて、彫刻のように天秤と剣を持って描かれることが多いのだとか。

神に最も近い存在とされる聖ミカエルは、天と地を行き来すると言われている事から、聖ミカエルを奉る聖堂はモンサンミッシェルのように、岩山や山頂などの突き出た所に建てられているものが多いのだそうです。

 

 

聖堂の内部も期待を裏切らない神々しさで、その大天使ミカエルの伝説を映し出しているようだと思うのです。

強靭な心と体を持った、たくましい聖ミカエルを奉るのにふさわしい場所ではないのかと。

天使とは、可愛らしくふわふわした存在だとイメージしていた無知な私にとって、このたくましい天使の姿はそれまでの思い込みを覆す、衝撃的なものでもありました。

 

 

そんな大天使ミカエルの城を2時間ほど歩き回っている間に、朝は満潮で正式な入り口が通行止になる程の水かさだったのが、あっという間に潮が引いて、干潟がどんどん露わになっていたのには驚きました。

そんな速さで潮の満ち引きをこの目で目撃できるとは!

自然の脅威ですね。

そしてこれも間違いなく、モンサンミッシェルの魅力を引き立てている要素なんだと思います。

 

 

★旅行のご案内★

モンサンミッシェル観光を十分に堪能するには、LA CASERNEという通り沿いのホテルに一泊すると便利です。

但しここは、一般の観光客はバスでしか通行できないエリアで、あらかじめ予約しているホテルでパスワードを貰わないと入場できません。(入場するのに1回6.5ユーロかかります。クレジットカードで退出時に支払うシステム。)

このエリアにホテルがあれば、モンサンミッシェルへは徒歩で30分ほどで到着、もしくは一般駐車場とモンサンミッシェルの間を走る無料シャトルに乗って、いつでも好きな時に立ち入りできるという特典があります。(シャトルバスは朝7時から夜0時まで運行。多分15分か20分おき。エリア内に3つ停留所があります。)

モンサンミッシェル内の修道院など、入場料が必要な所へは閉館時間を過ぎると入場できませんが、それ以外のエリアはいつでも自由に入退場できます。

但し、シャトルバスが混雑している時間は、始発の一般駐車場からたくさんの観光客が乗ってくるため、30分歩く方がストレスが無いかもしれません。

私は夕方、夜はシャトルバスに乗って移動しましたが、朝はバスが満員で歩いて行く事にしました。

朝焼けが綺麗で、なかなか心地の良い時間で、目の前にはモンサンミッシェルがそびえているので、退屈な道中ではありませんでした。

7、8月はハイシーズンで大変混み合うそうですが、私が訪れた10月の初めはそれほどでもなく、割とのんびり観光できました。但しお昼頃から団体客がどんどん増えて来ました。ので退散しました..w

修道院内部を観光するには、入場料が必要です。(10ユーロ・2018.10)

 

 

↓ 応援(クリック)していただけると嬉しいです ♡

にほんブログ村 旅行ブログ ヨーロッパ旅行へ
にほんブログ村