7132 HOTEL / トム・メインの部屋

ガラスの貝殻みたいなオーガニックなフォルムの物体が、部屋の中心にどっしり構えるこのお部屋。7132HOTELのエントランスを飾る白く滑らかなオブジェクトと、共通する世界観を感じる人も多いかもしれません。それもそのはず、設計を手掛けたのはどちらもアメリカ人建築家トム・メイン(Thom Mayne)です。

トム・メインもツムトー、安藤と並び、プリツカー賞を受賞した建築家ですが、建築によっぽど興味がある人以外には、日本ではあまり知られている建築家ではないかもしれません。建築設計事務所モーフォシス(Morphosis Archi tect)を主催する建築家であり、カルフォルニア大学(UCLA)の教授としても知られています。

 

 

トム・メインデザインの客室はWood TypeとStone Typeの二つのバリエーションがあり、写真上はウッドタイプです。やや暗い室内の真ん中に黄色く照らされたガラスの物体が、オーク材で覆われた木製の箱のなかで静かに発光しているその様は、なかなかフューチャーリスティックですよね。

ストーンタイプはウッドタイプの木製の部分が、スパ施設と同じようなグラニット(花崗岩)にそのまま入れ替わったデザインです。

どちらのデザインも真ん中のガラスのオブジェクト以外はシンプルなのですが、そのシンプルさがオブジェクトの異様さを上手く引き立てているのかもしれません。

個人的には温かな雰囲気のウッドタイプが好みではありますが、ストーンタイプは力強く迫力があって、どちらも独自の雰囲気を放っていますよね。ウッドが女性でストーンが男性のような真逆の印象を受けます。

画像提供/7132.com

ガラスのオブジェクトの中はシャワーブースになっています。
当然ですが外から丸見えになるので、シャワー中を見られても気にならない間柄の人としか宿泊できるお部屋ではありませんが、アートの中でシャワーを浴びる体験なんて他ではなかなかできないもの、なかなかスペシャルです。

ちなみにトイレは写真右奥の黒い扉の向こうにあります。そちらは完全に閉鎖されたスペースなのでご安心を。

 

 

シャワーブースの内側です。

Cの字型の重そうな石の物体が洗面台、Cに囲まれた黒い部分はゴミ箱になっています。細長い鏡の真ん中に蛇口があり、鏡の下から水が出てくる仕組み。なかなか手の込んだ作りになっていて面白いですが、きれいに使うのには少々工夫が必要です。洗面台のボウルは小さいし浅いので、顔を洗う時などは要注意。水は石のボックスの裏を垂れ流れて、シャワーと同じ排水口へ導かれていきます。

この洗面台の裏側でシャワーを浴びる形になるのですが、水を洗面台のほうに飛ばさずシャワーを浴びるのも、またまた工夫が必要です(笑)

使い勝手という視点で見たら決して優秀なバスルームではないかもしれませんが、巧妙なアイデアがたくさん詰まっているので一つ一つを考察しながら使うという、他のデザインホテルではなかなか体験できない楽しみ方がここにはあります。そんな体験ができるホテルって、ありそうで他にはなかなかないですもんね。

一週間暮らすのはちょっとキツイですが(笑)建築家のデザインに触れる丸一日のアトラクションと考えるなら、とても楽しいと建築愛好家としては思うわけです。

 

お部屋は決して広くはないですが、1泊、2泊の滞在には十分なスペースがあり、狭苦しさは全く感じません。小さなスペースに建築家のアイデアが隅々まで詰まっているので、建具や収納のデザインのこだわりなども見ものです。

ベッドの寝心地やお部屋の空調なども快適で、個人的には高すぎない価格設定なのではないかと思います。

朝食ビュッフェは地元の美味しい素材が盛り沢山なので、できれば朝食付きのプランを。

 

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