スイスで最も来館者の多い美術館

ファンデーション・バイエラー/Fondation Beyelerは、スイスのアートミュージアムの中で私が最も好きな美術館です。

フランスのルーブルやニューヨークのMOMAなどに比べたら、規模的にはその半分にも及ばないようなこじんまりとした美術館ですが、著名なアーティストの作品をふんだんに揃えた常設展ばかりでなく、年に何度か開催される企画展では、興味をそそられるテーマやアーティストのフューチャーが展開されていて、スイス国内だけでなく世界の美術界で常に話題になる美術館でもあります。

だから一度行ったらそれきりではなく、毎年のように足を運ぶことになるのです。

 

ファンデーション・バイエラーという名のごとく、バイエラー財団が所持する美術品を展示する美術館なのですが、創立は1997年でそれほど歴史があるわけではありません。
ヨーロッパの美術館は王侯貴族が所持していた美術品を一般に公開したものが多く、歴史の古いものが多いですが、このバイエラー財団の創設者であるエルンスト・バイエラー氏は元画商で、父親は鉄道会社の職員であったという、いわば一般階級の出身。ビジネスと美術史を勉強して若い頃から世界中を美術品の買い付けに飛び回り、24歳の頃にはすでにギャラリーを経営していたそうですが、凄腕のビジネスマンだったことが伺えます。

スイス国内で最も来館者の多い美術館なのだそうですが、確かに土日に訪れるとチケットを購入するのに並ぶことも多く、ガラガラの状態というのは見たことがありません。ちなみにスイスで美術館の入場に並ぶということは滅多にないのです。

スイス西北の街バーセルからはトラムに乗って30分ほどかかりますから、海外からの観光客が訪れるには不便な立地のためか、アジアや北南米などからの観光客はそれほど見かけません。スイス国内からやお隣のドイツやフランスからの来訪者が多いように見受けられます。つまりは車で1時間程度の圏内から来館する、私のようなリピーターが多いということだと思います。


建物はイタリア人建築家のレンゾ・ピアノ氏が担当しています。

緑豊かな公園の中に佇む、モネの睡蓮のような世界。

それもそのはず、ピアノ氏は美術館の展示品に敬意を評してこの建物を作った。モネの睡蓮はこの美術館の常設展示の目玉であり、季節が来るとこの池に広がる睡蓮の花を、モネの作品と並べて鑑賞することができるようになっています。

芸術鑑賞はお天気が悪い日のプログラム…という考えもありますが、この美術館はお天気の良い日のこそ行きたいと私は思います。
なぜなら、美術館の周りに広がる公園がとても心地よいので、ここでもゆっくりしていきたいと思うんですよね。
それほど広い公園ではありませんが、彫刻を囲む緑の芝や大きな木々が美しくて、美味しいお料理をいただけるレストラン&カフェも公園内に併設されています。


写真はキッシュロレインと白アスパラガスのサラダ添えですが、一品二千円ちょっとのお料理です。お肉料理は三千円くらいからになるので、割としっかりしたお値段ですが、とても美味しいお料理がいただけるのでお腹を空かせていっても安心です。よく美術館のカフェテリアにあるような簡単な食事が良い人は、館内にあるカフェでサンドイッチなどがいただけます。

月曜日は休館の美術館が多いですが、ここは年中無休という、スイスではこれまた珍しい美術館ですので、是非お天気の良い日に素敵な美術鑑賞の1日を。

今後はこの公園の敷地を広げて、スイス人建築家、ピーター・ツムトー/Peter・Zumthor氏による現代美術館が建設される予定だそう。これからどんな展開があるのか楽しみでもあります。

 

FONDATION BEYELER 
Baselstrasse 101
CH-4125 Riehen/Basel

Monday to Sunday from 10 a.m. to 6 p.m.
and Wednesday from 10 a.m. to 8 p.m.

 

応援(↓クリック)とっても嬉しいです♡
にほんブログ村 旅行ブログ ヨーロッパ旅行へ
にほんブログ村
にほんブログ村テーマ ヨーロッパの旅へ
ヨーロッパの旅