リスベート・ツヴェルガー / Lisbeth Zwergerさんの描いたイラストに出会ったのは、多分もう20年近く前のことです。
繊細な細い線で柔らかく描かれたおとぎの世界に魅せられて、本屋さんで手にとった一冊の絵本を前に、しばらく黙って眺めていました。結局のところその一冊を購入して家に持ち帰ったのですが…。
その時にリスベート・ツヴェルガーさんという、オーストリア人の絵本画家のことを知りました。
その頃はドイツ語の勉強をしていたので、「勉強がてらに読もう!」と思たのですが、実は今までに完読した本は一冊もないのです。
私はそもそも読みたくて絵本を買ったのではなくて、ツヴェルガーさんの絵が見たかったのですよね。
それを如実に現しているよなあと、我ながら笑いが止まらない…(笑)
写真右はハンス・クリスチャン・アンデルセンの『人魚ひめ』、左はクレメント・ムーアの『クリスマスの前の晩』の一ページです。
なかなかリアルに描いているのに、どこか可愛らしい独特の世界が広がる。落ち着いた色使いが可愛らしさを主張しすぎず、どこか大人っぽい印象のイラストが繰り広げられます。
「この本は大人向けに作られた絵本なのではないか?」と思うほど、当時20代後半だった私のハートに大ヒットしたのでした。
それから事あるごとに、本屋さんで気に入った絵本を見つけたら買い足していって、今では10冊ほどの絵本が私の本棚に鎮座しています。
中には音声でも聴けるようにオーディオCDが付属している絵本もありまして、そのCDのデザインもまた目が離せなくなる可愛らしいです。絵本と同様にこちらもまだ一度も聞いてみたことがありませんが…(笑)
写真右はE.T.A.ホフマンの『くるみ割人形』より。左は『クリスマスの前の晩』の一ページです。
一つ一つ丁寧に描かれた人物や人形たちは、それぞれが独立したキャラクターを持っていて、まるで生きているようには見えませんか?
ツヴェルガーさんの描く世界は静寂の世界で、躍動的というのとはちょっと違うと個人的には思うのですが、それにも関わらずキャラクターが生き生きと描かれているのです。
目を凝らしてよく見ると、密かにユーモアに溢れたディテイルがたくさん見つかるんです。
その、『静』なのに『動』の素質もある具合を、なんとも言葉でうまく表現するのが難しいのですが…。
それを見ていると深く深くツヴェルガーワールドに引き込まれてしまって、文章を読んでいるのではないのに、小一時間平気で絵本を眺めていることになってしまいます。
写真右の上方はグリム童話の『ヘーゼルとグレーテル』下方は『ノアの方舟』です。
写真左はリスベート・ツヴェルガーさんご本人のお写真、彼女は1954年のお生まれなので写真は昔に撮影されたものだと思います。
オーストリア・ウィーン出身の彼女は、地元の美術学校を卒業したのち、E.T.A.ホフマンの『ふしぎな子』で絵本画家としてのキャリアをスタートしました。1990年には国際アンデルセン賞を受賞されている、世界中にファンを持つイラストレーター です。
なぜか久しぶりにツヴェルガーの絵本が気になって、ページをめくってみたのをきっかけに、ここでも皆さんに紹介しようと思い立ちました。
グリム、アンデルセン、ディケンズなどの世界的に有名な童話のイラストを多く手掛けておられるので、日本語訳されて発売されているものもたくさんあります。
気に留まった方は、是非とも本屋さんで手に取ってみてください。
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