アルマーニ・シーロス / テアトロ by Tadao Ando

ミラノデザインウィークの展示を渡り歩いていて、ふと迷い込んだ通路を抜けたら、安藤忠雄さん設計のアルマーニ・シーロス ARMANI/SILOS が建っていた。

アルマーニ・シーロスではこのミラノデザインウィークと重なる2019.04.09〜07.28に、安藤忠雄展-挑戦-のイタリア版が開催されている。
2017年に東京で行われた安藤忠雄建築展が、パリのポンピドゥセンターで昨年に開催されていた事は、先日記事にした通り。→ 記事へのリンク
ミラノの展示Tadao Ando. The Challengeは、パリで開催されたものを再編成したものだという。

 

 

パリでの展示を見た後だったし、今回の短いミラノ滞在中に大きな展示会の鑑賞は時間が取れなかったので、実はここへ来ることを全く予定していなかった。けれど目の前に現れてしまったら、安藤建築ファンの一人としては、やっぱり素通りはできない。

 

 

残念なことに、建築展が開催されているアルマーニ・シーロスの方は、入り口の前に長蛇の列ができていて入場を諦めたのだが、その向かいにあるアルマーニ・テアトロの方で行われていた展示の方は、列に並ぶことなく入場することができた。

 

 

アルマーニ・テアトロ ARMANI/TEATROは2001年にオープンした多目的スペース。安藤氏とジョルジオ・アルマーニ氏との初めてのコラボレーションにより誕生したこの施設は、普段はアルマーニのファッションショーなどに使われている。

安藤建築独特の美しいまっすぐなコンクリート打ち放しの箱に、レッド×ブルー×ターコイズブルーの光が美しく輝く現想的な空間がそこにはあった。

 

 

ミラノサローネ/ミラノデザインウィークに出店されていた展示は、アルマーニデザインのインテリアが大胆にスペースをとって並ぶ。インフォメーションカウンター同様のレッド×ブルー×ターコイズブルーの光のオブジェが、ポイントポイントに独特の輝きを放つ。

 

 

なかなか一般の家に置けるようなインテリアでは決してないが、その王のような傲慢さを躊躇なく表現する空間は、見応えのあるものだった。

写真を撮影すると、背景には美しい光のイルミネーションが映し出され、見事なまでに完璧にレイアウトされたオブジェクトは、さっと写しても不思議なほど絵になってしまう。

ル・コルビュジェのロンシャンの礼拝堂を思わせるような、圧倒されるような光。けれど、ロンシャンの光のよのうな激しさはなく、アルマーニらしい上品さと高貴さを演出していた。

 

 

展示室を一歩出ると、そこには安藤建築独特の禅の静けさが漂う。性質の全く違うデザインではあるのだが、対立せずに美しくお互いが溶け合っているように見えた。

名残惜しい気持ちを抑えつつ、会場を後にする。けれど、偶然ここに来れてよかったと、天の導きに感謝したのであった。

 

ちなみにテアトロは普段は一般公開されないスペースなのだが、シーロスの方はギフトショップやカフェテリアのほか、デジタルアーカイブ、さまざまな展示を行うイベントスペースがあって、アート美術館として常に展示が行われ一般入場が可能となっている。

ファッションやデザイン、建築が好きな人にはとても魅力的なスペースなので、ミラノ滞在の際にはぜひ訪れてみては?

 

 

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